シンプル思考で飛び込んでみた輸入車専門店

第一声「宜しくお願いします!」と爽やかな笑顔でインタビューにのぞんでくれた小神さん。入社は2年目(2025年時)、同社の整備スタッフの中では一番若く、誰よりも急成長を遂げているのが小神さん。仕事内容は主にドライブレコーダーなどの機器関連の取付けと「磨き」と呼ばれるボディの仕上げ作業。
「実はうちで一番『磨き』が上手いのが彼女なんですよ!」と太鼓判を押すのは佐藤社長。聞けば同社で扱う輸入車、国産車全ての仕上げ作業を一手に任されているという。入社してわずか2年という短い期間でここまで腕を上げることができるとは。その秘訣は何なのか?小神さんに直接聞いてみる。
「車は好きでしたけど、初めからこの業界を目指していた訳じゃないんです。」高校卒業後は接客畑にいたという小神さん。勤め先は道の駅で6年、その後はガソリンスタンドへ。「小さい頃から人と話をするのが好きで、接客業を仕事に選んだのもその延長でした。スタンド時代は給油の時に自然と客さんと世間話をしてましたね。」別に会社から接客方針があったという訳でもなく、しかし気がつけば常連客から顔を覚えてもらっていたという小神さん。そしてサイトー自動車販売との縁生まれたのがこの時だった。給油の度に会話を交わす、常連さんの一人だったという佐藤社長との取り留めのない話の中で思わず、昔から車が好きだったこと、次に就職するなら車そのものに携わる仕事をしてみたいかも?等と話してみたところ「じゃあ、うちに来てみる?」と声をかけられたという。
口に出すと叶うこともある。しかし整備に関して専門的な知識や経験はゼロ。「だけど今はチャンスを掴む方が大事!考えました。」と尻込みせず社長の誘いに乗った。入社してからは「毎日が勝負みたいなもの。」と小神さん。実地の時間をいかに濃く、常にフィードバックがあるように考え抜いた。「はじめに基本的な技術は教えてもらいましたが、教えてもらうばかりじゃないな、受け身じゃ成長は遅いなと思いました。だから気になったことは即質問!…じゃなくて、一旦ネットで調べるなり空いた時間に練習するなりして、自分なりの基準や答えを固めた上で先輩や工場長からアドバイスをもらうようにしました。」そのトライアンドエラーは着実なものとして小神さんの力になっていく。
話を聞きながらチラチラと目が入っていたの彼女の手元、その手の甲には色々な要件がペンで書き込まれてる。「これはクセなんです。いちいちメモを取り出してペンを取って…この手間がもったいないんです。」このストイックさ、作業を中断して集中力を切らせたくないという、それだけ小神さんは目の前の仕事に没頭している。先の話も納得というものである。
仕上がりを隔てるもの


小神さん愛用の機材関連。ダブルアクションのポリッシャーをはじめコンパウンド等はRUPESの純正品を使用。
その後、実際に磨き作業をひとしきり見学させてもらった。インタビューの時のにこやかな雰囲気から想像できない真剣な面差し。車と向き合い淡々と作業をこなすその姿はまるで別人のようだ。作業を見ていてある疑問が浮かぶ。この磨きの作業において技術面の良し悪しや仕上がりの差はどこに生まれるのだろうか。
「うーん。磨きの前工程だと思います。車に付着している埃やウォータースポット、鉄粉を見逃さないこと、それらが残っている状態ではいくら一生懸命磨いてもツヤを出す云々という前ににボディに傷をつけてしまいますから。」
「それと、どこまでデリケートになれるか!磨きと一言で括っても毎回が同じことの繰り返しではありません。新車であれ中古車であれ、車一台一台によってそのコンディションは違いますし、実は天候によっても作業のさじ加減って変わってくるものなんですよ。状態に合わせた微調整はとにかく大事です。」
この話を聞いて、もしかして磨きという作業には女性ゆえのアドバンテージもあるのではと思ったが「確かに下地を整えてコーティングしていく…という点では化粧との共通点もありますね。」と小神さん。だが作業にあたる直向きな眼差しを見ていれば、その質問がいかに他愛のないことなのか私はすぐ気付いた。女性だからどうのこうのという次元ではない。小神さん本人のたゆまぬ努力と研鑽があっての、このクオリティなのだから。
120%のポジティブさで

小神さんがいつも心がけていること、目の前の仕事を正確かついかに早くこなすか。「この工場ではいつも私だけ帰る時間が早いんです。それが嫌で。なるべく早く自分の手を空けて『もっと何かありませんか』と聞くようにしています。」
「だから別に早く帰りたいとか全然思わないんです。」と小神さん。自分のやれる仕事をどんどん増やしていきたい。ワークライフバランスなんてどこ吹く風。その意気込みにはどこか清々しさすら感じてします。
ちょっと角度を変えて、もし新しい社員さんが入ったら磨きを誰かに任せて別の仕事に移れるのでは?と聞いてみた。「まぁ、それが自然な流れかもしれないですけど、今任されている磨きを手放したくないという気持ちもあるんです。誰かが入ったからとかじゃなく、今の状況で任された仕事をこなした上で次の段階へチャレンジしていきたいんです。」と、いい意味で貪欲な姿勢を貫く小神さん。次に会う時、すでに新しい作業に取り組んでいる小神さんの姿が見れるかもしれない。
車と安心と保険

車の保険と聞くと、CM等でよく見かけるダイレクト型をイメージする人が多いかもしれない。タレントを起用した広告はとてもキャッチーな印象だし、その手軽さや値段は確かに魅力的だ。しかし加入前とその後で大きく印象が違ってくるのがこの類であることと、そしてもう一つの選択肢があることを私は知ってもらいたいと思う。
万が一は突然やってくる。ある晴れた日曜の午前、山形から新潟へ向かう道中に貰い事故に遭った。緩やかカーブでなんの気無しにそこを曲がっている途中、突然対向車が突っ込んできた。あまりにも急過ぎた。急いでハンドルを切るも間に合わず、車線をはみ出してきた車と正面衝突…相手は居眠り運転だった。一命は取り留めたが車はその衝撃で大破し立ち往生。その時急ぎレッカーで駆けつけてくれたのがサイトー自動車販売だった。

なんともショッキングな書き出しとなってしまったが(自分でも書いていて辛くなる)、事故に遭い、その場から全く動けなくなった時に1秒でも早く来てもらいたいのがこのロードサービス。が前述のダイレクト型ではそのスピード感に難があるのは否めない。コールセンターへ連絡してからレッカー業者が動くまでにどれくらいの時間を要するのか。保険会社が「たまたまその時つながる」業者を探し、状況を伝え、事故現場に向かう。その点保険の代理店として対応と整備が一体になっているサイトー自動車販売の対応はダイレクト型と比べものにならないくらい早い。


数よりも大切なこと

サイトー自動車販売の車両保険担当の長岡さんは、以前保険会社に長く勤めていたこともありプランナーとして経験豊富な方だ。話を聞くと、同社に来てからは「保険」そのもののに対する印象がだいぶ変わったという。
「あまり大きな声では言えませんが、保険というものはどれだけの数の契約を取れるかが重視されてしまいます。また、営業や事務的な立場においては実際事故が起きたとしても、組織というシステムの一部に組み込まれている以上は、その後何がどうなったのかはそれほど省みることはあまりないんですね。」そんな手続きや数字とばかり向き合っていましたが長岡さんは今は真逆ですという。「何かがあれば目の前で現場(ロードサービスへ向かう。その後車を修理、または整備する)が動きますし、何よりもお客さんの経過も分かるようになりました。」
休車時間の短縮。これは同社が創業以来徹底きた言葉である。社内のスムーズな連携がその原動力であるという。「人でいうカルテを車に置き換えると整備履歴となります。過去に何度車検を通っているか、トラブルや事故はなかったか、車の状態をどこまで把握しているか否かで対応するスピード、質は変わってきます。」長岡さんが管理する顧客情報をもとにロードサービス、修理、その後のメンテナンスを担当するのが熟練の整備スタッフである。一方で長岡さんはアフターフォローに取り掛かる。行き届いた整備と何かあった時に支えとなる保険。この二つが揃って初めて安心のカーライフといえる。
あえてトラブルが起きてからの流れを記してきたが、もちろん何も起きないに越したことはない。「何かあったときにお客様の負担を少しでも軽くなるようプランを立てる。それが私の役目です。」長岡さんは言葉を続ける。
「一方通行のプランにならないようお客さんとの検討作業を何よりも大切にしています。国産車と輸入車どちらに乗られているのか、頻度は通勤だけなのか仕事にも使うのか。バイクの場合は冬は乗らないという方もいます。お客様一人一人のカーライフは違います。無駄なお金を払う必要もありませんが、手薄な内容で後悔はしてもらいたくないので。」また、趣味や休日の過ごし方にも話はおよぶ。「例えば車で旅行に行ったりバイクでツーリングするか等も気になるポイントです。」こと細かく質問しながら理解を深めていく。
保険の最適解があるとしたら

長岡さんにこれからやってみたいことを聞いてみた。「弊社で預からせてもらっている車のほとんどは保険に加入してもらってますが、時間があれば全部の顧客情報を見直した上でプランの提案をしていきたいです。特に気をつけなければいけないのが年に一度の更新時期、保険は毎年内容が変わったり新しい商品が出たりします。その都度連絡はしていますが『前と同じ金額ならそれでいいよ』とおっしゃる方もいますが、そういう時に限ってカバーできないトラブルが起きてしまう可能性もありますので…」
色々と聞いていて、長く保険というものに携わってきた経験がそうさせるのか。長岡さんは時々心配し過ぎるきらいがあるように思えたが、それだけ親身になっているという証明でもある。「本当は私がお客様のところを一人一人周りたいくらいなんですが、そうもいきませんのでどこかに寄ったついでとか、お茶を飲みに来たでもいいので一度当社にお足を運んでみてください。」と話す長岡さんは、本当の意味で顧客に寄り添う姿勢をもっている。
取材を終えて
整備の小神さんと保険の長岡さんそれぞれが口に出して言わなかったが自分の仕事に誇りを持っているような静かな自信をたたえているように思えた。取材の前は「普通の仕事なので面白いか分かりませんよ。」と言われたこともあったが、そんなことはなかった。「普通」なんてないんです。当たり前とされる作業に心血をそそぐことはこの上なく立派なことだ。二人の作業には、それぞれの価値と想いがしっかり息づいている。

